再改定によせて

自分自身や身内の人が精神の病と診断されると、「なぜ自分たちだけが、こんな病気にかかってしまったのか…」と思われるかもしれません。そして、なぜそのような病気になるのか、どんな治療法があるのか、治るのか、などなど、次から次へと疑問が起こることでしょう。

精神疾患、なかでも統合失調症は、100〜120人に1人がかかるポピュラーな病気です。そしてこれまで、治療法もない悲惨な病気と思われていましたが、今日では治療可能な「脳の病気」と考えられるようになりました。それに伴ってこれまでの精神分裂病という病名も変えるべきであるという考えが強まり、平成14年から「統合失調症」と読みかえることになりました。

その背景には、統合失調症に効果のある新しい薬が使えるようになったこと、また、薬だけでなく、生活訓練や生活を支える福祉制度なども充実し、早期に診断・治療を受けて適切な対応をとることにより、多くの方が自立した生活を送ることができるようになったことなど、この病気についての考え方が大きく変わったことが関係しています。

しかし、適切な治療を受けずに放置すると病気が進行するだけでなく、家族や周りの人もつらい思いをすることになりますので、早めに専門医の診察を受け、正しい対応をすることが必要です。

この小冊子は、精神疾患、とくに統合失調症を中心にして、日頃質問を受けることの多い事柄を取り上げました。幸い多くの皆様に活用して頂き、この度、時代に合ったものにするために再改訂を行いました。皆様の理解と正しい対応のお役に立てれば幸いです。
2005年12月 山内俊雄